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ジャズピアニスト 蒲池猛
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◆ビート・ミンガーの話(1)

 以前、渋谷でその頃流行っていた「絨毯(じゅうたん)クラブ」で「深海魚」という店が あった。
その店にピアノトリオで出演していた時の話。
 
  米軍の兵隊でジャズファンのティミニーという友人がいた。ギタリストのグラント・グリーン の大ファンで、レコードは全部持っていて、ギター・ソロを聴きながら初めから終わりまで全部 一緒に歌えるくらい熱心で、耳の良い奴だった。  
そのティミニーがある日「深海魚」に軍楽隊のラッパ吹きを連れてきて吹かせてくれという。 OKとばかり吹かせるとこれまた実にうまい。
数日後、週何日か出来る日だけレギュラーで使って くれと言う。早速、今でも覚えているが
I'll remember april  Quiet night  Mistyの3曲を やった。
オーナーにお伺いを立てると、「ジャズっぽすぎるな!」と駄目である。  
数年後、自由が丘のライブハウス「ファイブ・スポット」でトリオで出演中、客席でパラパラ ラッパを吹いている奴がいる。

ステージに呼んで上げると白人で、ラッパのケースにCBと書い てある。名前を聞くとポール・カウェイと言って、来日中のカウント・ベイシー・オーケストラ のリード・ラッパである。うまいわけだ。
他のメンバーは誰かと尋ねると、セカンド・トランペ ットにピート・ミンガーが来ているという。前述の「深海魚」によく来ていたラッパである。
驚いて早速電話してみると明日、文京公会堂で公演があるので遊びに来いといっている。  
早速3時頃リハのころに訪ねると、ステージで一人でピアノを弾いているので「ハーイ!ロングタイム ノー シー ユー!」などと声をかけるといきなりジンのボトルを突きだし、飲めと言う。見ると半分くらい空いている。朝からもうこれだけ飲んだという。  

ピアノをひけというので二人でセッションをやっていてふと気がつくと、写真でしか見たことが なかったカウント・ベイシーがピアノの正面でニコニコしながらピアノの端を軽くたたいてリズムを取っている。おまけにメンバーも皆まわりでニコニコしている。
写真で見た顔ばかりだ。びっくり仰天、とたんにピアノがしどろもどろになり弾けなくなってしまった。

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